余白 期待するから傷つくのだと 気付いてからは何も抱かなくなった 目の前が真っ白なのは 希望に溢れているからではなく ただ 絶望だけがあるからなのだ と まぶしい光を遮って歩むしかなくて 日が沈むのを待つ日々で 夜になったらそれはそれで 闇に飲まれて 冷え切っていく 手が悴んで 上手に紡げないけれど 希望の言葉なんて必要ない とペンを投げ出す ほんとうは だれかに いつかの痕がまだ残っていて それを見るたび ため息を吐く でもそれは 悲しみではなくて ここにいる、と知るためだと そう気付いたから また泣く日がくる と怯えるのをやめて 私も太陽にくるまれて彩りたいと 指先をあたためる |